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村上眞知子のサンシャインな日
ギリシャ研修【10】 アクロポリス・パルテノン神殿
ホテルのレストランからライトアップされたパルテノン神殿を見ていましたが、いよいよ現地に行く日がやってきました。
研修5日目です。
クレタ・ミケーネの青銅器文明を経て、紀元前8世紀に誕生した都市国家(ポリス)アテナイで古代ギリシャ文明は最盛期を迎えました。
文学・演劇・彫刻・言語・哲学・政治・・・あらゆる西欧文明の発祥の地。
その象徴ともいえるのが、海抜156mの石灰台地に築かれたアクロポリスなのです。
「高い丘の上の都市」という意味です。
オリンポスの神々を祀った神域であり、同時に敵の侵入を防ぐ要塞として役目を果たしていたのです。
丘の上から町中を見渡すことができます。
写真中央の建物がアゴラ。
アゴラとは「人の集まる所」を意味し、古代ギリシャでは市場や集会所などがある公共広場を指します。
アテネ市民にとって信仰の中心がアクロポリスにあるのに対し、その麓にあるアゴラは生活の中心であり、政治や経済、文化の拠点として機能。
市民はここで商取引をし、政治家の熱弁に耳を傾け、様々な情報交換を行ったのです。
ここに行けば、ソクラテスやプラトンの熱弁も聴くことができたようです。
アクロポリスを象徴するように建つのが、ドリス式建築の傑作と謳われるパルテノン神殿。
守護女神アテナ像に捧げた戦勝記念堂で、紀元前432年に完成しました。
小高い丘の上に建っているので、このように階段を上っていきます。
頂上に着くと、いくつかの神殿がありました。
こちらは「翼なき勝利の女神の神殿」の異名をとるアテナ・ニケ神殿。
長く続いたスパルタとの戦争の勝利(ニケ)を祈って女神を祀ったのだそうです。
エレクテイオンには数人の女神さまが。
女神さまたちをアップしてみました。
この女神像はレプリカで、本物は博物館にあるのだそうです。
パルテノン神殿というと、この建物が有名。
白大理石の円柱は、中央部に膨らみのあるエンタシス技法で仕上げられ、四隅の柱はやや太く、わずかに内側に傾けられているます。
柱の中央部に膨らみのあるエンタシス技法というのは、法隆寺の柱にも用いられています。
3年前に法隆寺に行った時、この柱はパルテノン神殿と同じだと聞いていました。
ギリシャと日本、繋がっているのですね。
修復中のパルテノン神殿を背景にハイ、チーズ。
かつては色鮮やかな彫刻で装飾されていたパルテノン神殿。
その多くは持ち去られ、現在は大英博物館で見ることができるとのこと。
30代の頃、初めての海外旅行でイギリスに行った時、その大英博物館も訪れました。
展示室が多過ぎてエジプトだけに絞って観た記憶がありますが、大英帝国だった時代に多くの国の宝物を奪ってきて自国の物として展示しているのかと思うと歴史の複雑さを感じます。
南西麓にはヘロディス・アッティコス音楽堂がありました。
当時の人は、信仰とともに音楽を楽しむことも大切にしていたのでしょうね。
ギリシャを訪れた観光客は、パルテノン神殿には必ず行くのでないでしょうか。
当時の人々が信仰のために行ったパルテノン神殿に、今はこんなふうに様々な国の人たちが大勢訪れています。