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村上眞知子のサンシャインな日
ギリシャ研修【11】 プラトンのアカデメイアとアリストテレスのリュケイオン
パルテノン神殿を後にしてプラトンのアカデメイアを訪れました。
紀元前387年、プラトンがここに学園を開設したため、この地名「アカデメイア」がそのまま学園名として継承されました。
算術、幾何学、天文学などを学び、一定の予備的訓練を経てから理想的な統治者が受けるべき哲学を教授しました。
特に幾何学は感覚ではなく、思惟によって知ることを訓練するために必要不可欠のものであるとの位置付けで、「幾何学を知らぬ者、くぐるべからず」との額が掲げられていたといいます。
バスを降りて木々の中を抜けていくと学園跡に辿り着きました。
いまは建物の礎石だけが残っています。
王道學の先生の語りを聴きながら目を閉じていると涙が。
プラトンもこんなふうに語っていたのかもしれません。
いまは小学生が遠足で訪れるそうで、ちょうど私たちと入れ替わるようにやってきました。
この日のランチのメインは、エビがたっぷりのパスタ。
食べきれないくらいのボリュームでした。
このランチの席にスペシャルゲストとして、ガイドさんのお一人のご主人アンドレアさんがおいでになり、アリストテレスが何を言っていたのか?を話してくださいました。
師プラトンがイデアの世界(天上界)を大切にしたのに対して、アリストテレスは天上界を否定し、現実の世界を大切にすることを説いていたのだそうです。
午後は、そのアリストテレスの学園リュケイオン跡を訪れました。
アリストテレスは、リュケイオンの散歩道を歩きながら弟子たちと哲学や学問の論議を交わしたのだそうです。
3大哲人と言われるソクラテス、プラトン、アリストテレスの説明書きがありました。
ソクラテスの弟子がプラトン。
プラトンは師匠ソクラテスがどういうことを語ったかを書き残しています。
プラトンの代表作『饗宴』は大学時代にテキストとして読んだことがあります。
その中でもソクラテスは愛の本質を語っています。
「プラトニックラブ」という言葉は、「プラトンの愛」を語源とすると言われます。
天上界を大切にしたプラトンに対して弟子アリストテレスは現実世界を大切にしました。
師弟関係であっても大切にしたものが根本的に違っていたということです。
信頼しながらも各々が到達した世界を尊重したという証でしょう。
2つの学園跡が2000年後もそのまま残されているということは、どちらも私たちに遺してくれたものが大きかったという証拠でしょう。
いまは、著作でしか触れることができないその思想。
これを機に読んでみたいと思います。