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村上眞知子のサンシャインな日
ギリシア研修【9】 アスクレピオスの聖地『エピダウロス』
ミケーネ遺跡でしっかり体を動かした後は、このレストランでランチをいただきました。
写真を撮ったのは、現代では普通に使われていない文字が使われていたからです。
トマトジュースで乾杯?! と思って飲んでみたら、何とオレンジジュース!!
絞りたての赤い色のオレンジジュース。
もう一度飲んでみたい、忘れられない美味しさでした。
普段はお肉類は口にしないのですが、蛋白源が他にないのでこの日はチキンをいただきました。
柔らかくて美味しかったです。
ランチ後は、医神アスクレピオスの聖地『エピダウロス』へと向かいました。
今回訪れる中で最も楽しみにしていたところです。
紀元前6世紀ごろギリシャ神話に登場する医神アスクレピオス信仰がギリシャ全土に広まり、紀元前4世紀に最盛期を迎え、ギリシャ全土から様々な患者が訪れ、5世紀半ばまで医療の聖地とされていました。
薬の投与ではなくスポーツやマッサージを行い、心理面では音楽や劇場で治療していた癒しの施設。
劇場、浴場、闘技場、神殿などさまざまな建物が造られました。
古代の劇場が美しい形で残っており、「エピダウロスの考古遺跡」として1988年に世界遺産に登録されました。
その古代劇場。
スケールの大きさにワクワクしました。
すり鉢状の階段がずいぶん高いところまで続いています。
下で拍手をすると音が響いて昇ってくる感じに聞こえました。
この劇場では、現代でもオペラなどが行われているそうです。
すごい迫力でしょうね。
博物館もあり、当時の状況を垣間見ることができました。
神殿の造形物でしょうか?
手前のは、ピンセットのようです。
医神アスクレピオスの立像。
「治療の神」として、古代ギリシャ人に崇拝されていたアスクレピオス。
いつもヘビが巻き付いた杖を持っていたことから、ヘビが巻き付いた杖までも信仰の対象となったのだそう。
アスクレピオスが人間の命をあまりにも救うので、冥界(死者の世界)の神ハデスが人間を不滅にしてしまうのではないかと恐れてゼウスに訴えた結果、ゼウスはアスクレピオスを雷で死に至らしめたという伝説があります。
世界保健機関 WHOのロゴにもアスクレピオスの杖が描かれています。
外に出ると浴場や闘技場の跡がありました。
緑もいっぱいでこんな木の実も生っていました。
当時の人たちは、こんな自然の中で、のんびりと演劇を観たりお湯に浸かったりマッサージをしてもらったり体を動かしたりして元気を取り戻していったのでしょうね。
いまの日本にもこんな癒しの場が欲しいものです。
サンシャインにもその精神をほんの一部でも取り入れた癒しの空間を創っていけたらと思います。
当時はベッドのことを「クリーニー」と呼んでいて、それが現代の「クリニック」の語源となっているのだそうです。
いまにつながっていますね。
オリンピア、ミケーネ、エピダウロスと回ってギリシャ本土に戻る途中、コリントス運河を渡りました。
両岸ともかなりの絶壁。
全長6km、幅20m超、絶壁の一番高い場所は79m。
造るのは大変だったことでしょう。
運河の幅が狭いため、観光船での利用がほとんどだそうです。
ギリシャ本土に戻ってきました。
山の木々が焦げた跡が残っていました。
ギリシャの山火事は日本でも報道されました。
「猛暑や乾燥により、大規模な山火事が相次いでいて、ギリシャの科学者などは、一連の山火事は気候変動の影響もあると指摘しています」とNHKニュースにも書かれていました。
これだと自然発火と受け取られかねません。
私自身、そう認識していました。
しかし、ガイドさんによると放火だったそう。
しかも移民によっての。
報道を鵜吞みにすると事実を誤認してしまうことに気づかされました。
現地に行って、見たり聞いたりすることの価値を感じたことでもありました。