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村上眞知子のサンシャインな日
内側から聞こえた「ありのままで良い」
「わたしが書いた文章が載っているので、
読んでいただければ・・・」
月に1回のレッスンに来られている生徒さんから、
こんな冊子をいただきました。
「こんな文章が書けたのも、
載せてもらおうと行動できたのも
ヨガのおかげなんです」と。
いつも飄々として
楽しそうにヨガのレッスンをされているその生徒さんが、
そんな行動をとられていたことも、
若いころに精神障害だったことも、
全然知りませんでした。
「社会復帰」という、
どちらかというと重い課題に対して自分が見出した答えを綴られていますので、
ぜひ読んでみてください。
多くの方に知ってほしいというというご本人の希望ですので、
実名でご紹介します。
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私の社会復帰 /小林香也子
みなさんは、
「社会復帰」という言葉にどのようなイメージをお持ちでしょうか。
20年前、
当時19歳で精神科の治療を受けていた私にとって、
「社会復帰」という言葉は、
「つらい」「大変」などマイナスなイメージしかありませんでした。
治療を終え、実際に社会復帰してみると、
仕事を見つけることも続けることも大変な毎日が始まりました。
ただ、
当時の自分が全く想像していなかったことがありました。
それは社会復帰が、大変なことだけではなかったということです。
先日、
担当だった看護師の方から20歳の時にもらった、
バースデーカードが出てきました。
そのカードには、
「お誕生日おめでとう。
いつか心身共に元気になって、
“あんなこともあったなぁ”と懐かしく思い出す日がくることを
願っています」
というような内容が書かれていました。
それを見て私は、
いつの間にか、自分がそうなっていることに気がついたのです。
それは、
仕事がバリバリできるようになったからでも、
結婚などの外側の条件が変わったからでもありません。
社会に触れ続けること ― 仕事や、自分以外の他人とのやりとりで、
良いことも悪い(と感じる)ことにも心を揺らして、
自分なりに試行錯誤を続けるうちに、
自分の内側から「自分はありのままでよい=他人もありのままでよい」
という感情が湧いてきたからではないかと思います。
何か答えを求めているとき、
その答えは自分1人で出さなければいけません。
でも、その答えを見つけるきっかけをくれるのは
外からの働きかけ、他人の存在である気がします。
仕事をするということは、
お金を得るだけでなく、自分の内面に変化を起こし、
心までも回復させる力があるのではないか・・・と思うようになりました。
私にとっての社会復帰とは、
病気が治った、仕事をしている、などの結果だけではなく、
色々な出来事を通して、
自分の心がゆっくりゆっくり生きる力を取り戻していくプロセス全てのことだったと、
20年経った今、思うようになりました。
それは、当時大変さのさなかにいる時には全く想像できなかった、豊かな時間でした。
社会復帰したいけど一歩踏み出せない、
社会復帰しながらも毎日を大変に感じている方達が、
もしかしたら今、
とても豊かな道のりの途中にいるかもしれないということをお伝えできたら、
と思っています。
社会復帰のプロセスには個々人に違いがあると思いますが、
その違いがその人だけの宝物になる日がきっとくる、
今はそんなことを思いながら、毎日働いています。
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文章の中に、
こんな一文があります。
> 自分の内側から、
> 「自分はありのままでよい=他人もありのままでよい」
> という感情が湧いてきたからではないか
このことが、
「社会復帰」の大きな力になったことは確かでしょう。
多くのクライアントをサポートする中で、
「ありのままでよい」と思えること、
いまの自分を受け入れることができることが、
自立の力になるように感じています。